Crazy For dos and don'ts

音を楽しむことを。日々の無常を。心の遊びを。

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タイトルはなんか熱闘甲子園みたいで
(注コメント欄で補足
クラシックとは縁がなさそうな感じだが、
パッションないしはPassionとすると
キリストの受難という意味になるので
あえて「情熱」。

北京オリンピックの開会式での
ランランさんのパフォーマンスが
記憶にあたらしいが、
自分は中国のピアニストというと
Yundi Li(ユンディ・リ)である。

とはいっても、聞きはじめたのは
6月から。その頃、テレビで
このCDのライブについての
ドキュメンタリーがやっていて
それを見てすごいピアニストと思ったのがきっかけ。

Yundi Liは1982年中国重慶生まれ。
2000年にショパン国際ピアノ・コンクールで
15年ぶりに優勝。ブーニン以来。

このCDは、彼のベルリン・フィルデビュー。
指揮は小澤征爾。

小澤征爾がドキュメンタリーで
「自分が今の地位にあるのは、
カラヤンが援助してくれて
(ベルリン・フィルに)紹介してくれたからだ。
自分も同じことを君に(Yundiに)したいと思う」
と言っている。

このCDは2007年5月に
ベルリン・フィル定期演奏会を機に
おこなわれたらしい。

ライブ収録曲は
プロコフィエフ ピアノ協奏曲第二番。

この曲は、
「技術的な部分でお話しすると、
すべてのピアノのレパートリーに
おいて最も難しい作品のひとつ」
(小澤征爾)らしい。

このCDを聞いて、
聞く環境によって音楽って
こんなに聞こえ方が違うのかって痛感した。

以下は10年ほど前に買った
約10万円の日本製ステレオで
スピーカーを使って主に聞いた感じ。

最初聞いた感じは、
恐ろしく速くて、
的確なタッチ、
うなる鍵盤、地響きをたてる
ベルリンフィルの咆哮、
満場の拍手。
(ちょっと劇画的すぎるか)
(注補足 すみません 最初の数回
はヘッドフォンで聞きました。
これがよかった。)


本人が“Life is full of emotions.”
とドキュメンタリーで言っていたように(たしか?)、
このCDも情感にあふれ、たぐいまれな技術と
情熱に満ちた演奏である。

YundiのCDは3枚ほどしか聞いていない。
“Portrait”と
ショパンのCD(同じくショパン・コンクールで優勝している
アルゲリッチも入っている)、
それにこれである。

他の2枚はソロ・ピアノで、
ショパン中心の作品だったので、
自分が最初に持ったYundiのピアノのイメージである。

このソロピアノでは、
Yundiは軽やかに歌い上げている。
クラシックは本当に聞きかじりで
あまり聞いていない。
しかし、なんとなくホロビッツやアルゲリッチと
比べて聞いて思ったのは、
Yundiのピアノは
リズムの取り方がおもしろい。
リズムが断絶するのではなく、
いろいろ変化していく
途中の断面がなめらかで、
変化しているのにあまり違和感がない。
そのなめらかなリズムにそって
感情をこめて時には激しく、
時には優しく歌う。そんなピアノ。
(このCDに入っているラベルは
どちらかというとこちらの面のYundiだと思う。)


でも、このベルリン・フィルとの初協奏曲は、
まったく違う。
すごく音が心と身体にビリビリと
迫ってくるそんな演奏である。
恐ろしく野蛮なタッチで跳躍したかと
思うと、繊細な鍵盤を聞かせる。
第一楽章も第四楽章も好きなんだけど、
音が乱れ飛ぶ第三楽章がけっこう好き。

パッションの閃きが、このライブで
溢れている。

多分ドキュメンタリーで見てすごいと
思ったところは、
「息も継がせぬ速さで進むトッカータ風の楽章」
(CDの石田一志氏の解説)の第二楽章。

ピアノの鍵盤すれすれの上を頭が移動し、
エネルギッシュに弾くYundiの姿を見て、
自分の好きな山下洋輔氏のピアノを
超えている思ったからだ。

ジャズなんだけどね、
ピアニストで一番好きな人。
それを超えたと思える人の
映像を初めて見た。
それがYundiだった。

ベルリン・フィルの音はすさまじく、
弦楽器、管楽器、打楽器すべてが
すごくVividな音を奏でる。

指揮者は、初めての合わせのときに
「一度通しているその間に、
ほとんどの演奏ができ上がってしまうぐらいの
情報量を、指揮動作のみによって示せる」次元
山下洋輔氏対談集
音楽秘講座
の茂木大輔氏のところのシャルルデュトワのレベル)
だろうから、
注 コメント欄で補足 次元が違ってた
小澤征爾の指揮はすごいんだろうな。
自分が感心したのは、オーケストラと
ピアノの入り方。自分(私)が好きなタイミングで
ピアノがオーケストレーションに入り、
オーケストラがピアノの独奏に入る。
なんとなく、なんとなく。

プロコフィエフを聞くのは
これが初めてなんだけど、
このピアノ協奏曲第二番は、
「若い演奏者に特にふさわしい作品」
(Yundi Li)だと思う。(注 コメント欄で補足
アーティストはその年齢に
相応しい作品があると思う。

若い時には、若い時にしかできない作品
があるはずと思う。

このプロコフィエフ
ピアノ協奏曲第二番もそんな曲だと思う。

このCDを聞いて
かえすがえすも
その時、ベルリンのその場所で
聞きたかったなぁと思う。

CDの録音状態はすごくいいんだろうなぁ。
情報量が多すぎて普通のステレオでは
うまく再生できないのだろう。
かといって再生機や部屋にそんなに
お金をかけるわけにはいかないし。

音楽はライブが一番だと思う。

そんな風に
心の底から思えるCD。


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コメント

書き間違え

「関心した」ではなく「感心した」です。

  • 2008/08/31(日) 21:17:25 |
  • URL |
  • fino tonic #-
  • [編集]

自己補足7

山下洋輔氏の対談集
「音楽秘講座」でのN響の
首席オーボエ奏者茂木大輔氏との対談で。
茂木氏が言ったこと。
すみません「手の開き方ひとつで
すべてを表現するという次元」と記憶で
書きましたが、「指揮者の手のひらの開き方一つで音が違うのがオケですから」と書いてあったのをN響首席指揮者だったシャルル・デュトワのレベルと書いてしまった。こりゃ書き直し。

この本、おすすめ。シャルル・デュトワのことを
ほめているところが、すごくおもしろい。

  • 2008/09/02(火) 22:14:35 |
  • URL |
  • fino tonic #-
  • [編集]

自己補足8

正確に言うと以下を省略して書いたもの。
聞き手
「プロコフィエフはピアノ協奏曲第2番を初演した時22歳でした。あなたは今24歳ですが、言うなればだいたい作曲者と同じ年齢です。
これは若い演奏者に特にふさわしい作品だと言えるでしょうか?」
ユンディ・リ
「全くその通りです!私は実際に若い世代にこの作品を紹介していきたいと思っています。」

クラシックもっと、聞きます。聞きかじりじゃね(苦笑

  • 2008/09/02(火) 22:46:45 |
  • URL |
  • fino tonic #-
  • [編集]

情熱について

「情熱」について。
「情熱」って、パッションとかPassionとかに
比べて字から汗がしたたりおちそうな感じ
がしませんか?汗というと熱闘甲子園だから、
情熱から連想するものとした。

実際、技術も大事だけど、やっぱり「思い」とか
「情熱」って一番大事だと思う。

  • 2008/09/03(水) 20:17:38 |
  • URL |
  • fino tonic #-
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